10年位前に藤井佳朗先生の診療を東京の高橋先生や、広島の岸保先生らと見学させていただきました。
当時先生は神戸元町で開業していらしたお父様の藤井沖正先生の診療所でお手伝いをしておられたのですが待合室にいらっしゃるのは歯科なのに歩けない人、立てない人、腕が上がらない人、正座できない人、アトピーの方、まるで歯科の患者さんでない方ばかりで驚きました。
このような患者さんに、噛み合わせの調整をしたり、咬合の回復を適正にしてあげると、瞬時に歩けたり、立てたり、腕が上がったりするのを目の当たりに観て噛み合わせと全身との関連を考えるようになりました。
この治療法を広めなければ原因はかみあわせの崩壊にあるのに、内科、耳鼻科、整形外科や脳神経科、皮膚科などを彷徨い歩いている患者さんを救うことはできないと思い、藤井佳朗先生に顧問になっていただき高橋先生達と「噛みあわせと全身の関連を考える会」を立ち上げ第1回の総会を東京の野口英世記念会館で開催しました。8名からのスタートでした。
その当時藤井先生が一般読者向けに書かれた"歯科からの逆襲"はとても衝撃的でした。
困った症状があって医科の診療を受けてもまったく異常がなく原因が分からない方は、一度御自分の歯が全てそろっているか?噛み合わせは正しいか?正しい義歯が装着されているか?を確認してください。歯が1本なくなったのを放置していたために重篤な全身症状を引き起こした症例もあります。
最近は皆さんもよく知っておられる口の中に入っている歯科の金属からアレルギーを起こすことも、当時はまだあまり知られていませんでした。それらの金属を特定し、金属を除去してその人ににあった詰め物、やかぶせ物に変えることでアレルギー反応が消失していきました。
ステロイド治療を15年間行いステロイドのリバウンドに3年間悩んでいましたが、約3ヶ月間の歯科治療でかなりよくなりました。
一番衝撃的であったのは寝たきりのご老人が義歯を入れることによって介護なしに日常の生活に復帰できたケースや認知症で徘徊をしていた方が義歯を入れて1~2ヶ月もしない内に日常会話と日常生活ができるようになったのを見たときでした。そのときは感激と驚きでとても興奮したのを覚えています。
歯がないことや、義歯を入れていないことが脳や全身の運動機能、免疫反応にまで影響を与えることを実感し、
歯科医師としての使命と仕事への闘志と誇りを感じました。